「ファイトケミカル」という物質が近年注目されているのはご存じですか?今まであまりかえりみられることがなかったのですが、その持っている力の素晴らしさが私たちの身体のアンチエイジングに役立つことがわかってきました。
今回は「ファイトケミカル」を使って、私たちの身体の持つ、抗酸化力と免疫力をアップさせる方法をみていきます。
ファイトケミカルで抗酸化と免疫力をアップする6つのステップ
ステップ1: ファイトケミカルについて知ろう
ファイトケミカルとは、主に果物や野菜に含まれている、栄養素以外の成分(機能性成分)のこと、色素や香り、辛み、苦み成分をいいます。ファイトケミカルはおよそ1万種類にもなるといわれ、大きく6つのタイプにわけられています。
それぞれ、「ポリフェノール」「含硫化合物」「カロテノイド」「糖関連物質」「アミノ酸関連物質」「香気成分」です。栄養学の世界では、第7の栄養素として近年脚光を浴び、注目されています。
ファイトケミカルのファイト(phyto)は「植物」、ケミカル(chemical)は「化学成分」という意味です。植物が紫外線により発生する活性酸素や、虫害から身を守るために自ら作り出したこの物質は、私達人間が摂取することで、抗酸化作用、免疫増強作用、抗がん作用が認められ、アンチエイジングにも効果的だと言われています。
ステップ2:抗酸化作用でアンチエイジング
ファイトケミカルを摂取すると、最も効果を現すと言われているのが、ファイトケミカルの持つ、抗酸化作用です。私達は呼吸によって大気中から酸素を取り入れています。そのため、酸素は生きて行く上で欠かせませんが、この酸素は、ちょっとしたきっかけで「活性酸素」と呼ばれるものに変化してしまいます。
この活性酸素は、身体の中の細胞を酸化させることで老化させ、生活習慣病などを引き起こすといわれる恐ろしい存在ですが、活性酸素は私達が日常生活する上で、様々な要因によって発生してしまうので、完全に防御することは不可能。
そこでなるべく活性酸素を発生させないような生活の工夫をすることと同時に、酸化を防止する「抗酸化」してくれる物質を体内に取り入れる必要があります。体内に抗酸化作用を働かせ、活性酸素と闘ってくれる、そんなアンチエイジングの強い味方がファイトケミカルなんです。
ステップ3:免疫力を高めてアンチエイジング
免疫力の強化とアンチエイジングは切っても切り離せない関係にあります。免疫力を高めることで、腸内環境は良くなり、多くの女性を悩ませる便秘が解消されます。便秘は美しい肌の大敵ですから、免疫力を高めることはアンチエイジングにも効果的なんです。ファイトケミカルには、私達の身体の免疫力を強化してくれる働きがあります。
免疫力の強化のための3つの方法
1)「免疫細胞の数を増やす」
ニンニクや大根、ワサビ、キャベツなどに含まれるイソチオシアネートと、バナナの香気成分であるオイゲノールを摂取しましょう。いずれもニオイが強いほど効果的です。
2)「免疫細胞を活性酸素の攻撃から守る」
タマネギやニンニクに含まれる、システインスルホキシド類と、ポリフェノールを摂取します。これらを摂取することで、免疫細胞を活性酵素の攻撃からガードしてくれます。
3)「免疫細胞を活性化してその働きをよくする」
ニンジンなどに含まれるβ-カロテン、キノコに含まれるβ-グルカン、海藻類などに含まれるフコイダンなどを摂取するのがオススメ。また、飛び抜けて効果的なのは、白菜に含まれるグルコブラシシンです。
これらの免疫力アップに効くファイトケミカルを含む食物を食べて、体内の免疫力をアップさせて体全体のアンチエイジングを目指しましょう。
ステップ4:ファイトケミカルが含まれている食べ物
ファイトケミカルはおよそ1万種類くらいあると考えられています。 その中で現在見つかっているのは1000種類くらいで、これらは大きく6つに分類されています。
6つのファイトケミカル
1、ポリフェノール
赤ワインやブルーベリーなどに含まれている「アントシアニン」を中心に、大豆などの「イソフラボン」や、緑茶などの「カテキン」、柑橘類の「フラバノン」、ゴマの「セサミノール」などもポリフェノールの仲間。
2.含硫化合物
ワサビなどに含まれる「アリルイソチアシネート」や、ニンニクやネギなどに含まれる「メチルシステインスルホキシド」など。
3.脂質関連物質
ほうれん草の「ルティン」、ミカンの「β―クリプトキサンチン」、トマトなどに含まれる「リコピン」など。
4.糖質関連物質
キノコに含まれる「β―グルカン」、海藻類の「フコイダン」、リンゴの「ペクチン」など。
5.アミノ酸類
イカやタコ、魚介類に含まれる「タウリン」、レバーなどの「グルタチオン」
6.香気成分
バナナの「オイゲノール」、柑橘類の「リモネン」 などがあります。 「アントシアニン」や「メチルシステインスルホキシド」には強力な抗酸化力があります。
また、「リモネン」にはがん予防や新陳代謝の改善作用が、「フラバノン」にはビタミンCの働きを助けるなどの作用があり、アンチエイジングにも非常に効果が認められています。
このように、色々な食物に含まれるファイトケミカルですが、1つの成分だけが含まれているのではなく、お互いに助け合って効果を高めたりしているので、さまざまな食品からバランスよく摂取することを心がけましょう。
ステップ5: 野菜と果物はジュースで美味しくとろう
ファイトケミカルを含んでいる野菜や果物を効果的に摂取する方法としては、ジューサーを使ってジュースにして飲んで摂取することがオススメです。野菜などにたくさん含まれるといっても、そのまま大量に摂取することは結構難しいですよね。そのまま食べるのも大変だし、かといってドレッシングかけて食べると、カロリーの心配もありますよね。
でもジューサーでジュースにして飲むようにすれば、手軽に摂取できますよね。野菜100%のジュースは飲みにくいですが、果物も入れれば飲みやすくもなります。 また、ジュースにすることで、植物の細胞が壊されて、よりファイトケミカルを摂取しやすい状態になるのもいいですよね。
ファイトケミカルは固い細胞壁に守られているので、すりつぶしたり、刻んだり、ジュースにしたりして、細胞壁を壊すことがポイントなんです。ファイトケミカルは熱に比較的強いのですが、野菜や果物に含まれているビタミンや酵素類は熱によって失われてしまうので、ジュースにすると失われずそれも摂取できるので、よりアンチエイジングに効果的ですよね。
ステップ6:より効果を出すために生活習慣を見直そう!
ファイトケミカルをたくさん摂取しても、活性酸素にさらされる生活が続いたり、不規則な生活を続けていては、せっかくの効果も台無しです。より効果を発揮するためには、早寝早起き規則正しい生活や、喫煙をしない、毎日少しずつでも運動をする、毎日の食事もバランス良くとる、などの生活習慣を改めることが大事。ファイトケミカルを摂取して、よりアンチエイジング効果を高めるためにも、規則正しい生活を心がけましょう!
今回紹介したファイトケミカルで抗酸化と免疫力をアップする6つのステップはいかがでした?色々な食品に含まれる、第7の栄養素とも呼ばれるファイトケミカルにすごい力があることがわかりますよね。上手に摂取してファイトケミカルの持つ、抗酸化力と免疫力をアップさせて、アンチエイジングしましょう。