最恐!アントラキノン下剤ダイエットがもたらす恐怖の副作用5つ

Anthraquinone

アントラキノンとは下剤に含まれる成分で、大腸や結腸を強く刺激して便の排出を促します。市販されている下剤のうち、7割以上がアントラキノン系下剤と言われています。

一時的に便秘が解消されるので、スッキリ感があり、お腹もへこんだように感じます。だからか「お腹スッキリ=やせる」と思い、アントラキノン系下剤でダイエットできる!と依存してしまう人もいるそうです。

でも、下剤で便を出すということは自然なやり方ではありませんよね。薬なので副作用が生じます。今日はアントラキノン系下剤で起こる怖い副作用についてお伝えします。



最恐!アントラキノン下剤ダイエットがもたらす恐怖の副作用5つ

副作用1.まずはアントラキノンを知る!


アントラキノンは小腸から吸収され、血液の流れにのって大腸や大腸粘膜を刺激します。これによって便の排出が促されるのです。

ただ、この刺激は強力で、副作用については知っておかなければいけません。それは次の項からお伝えします。

アントラキノンが含まれている生薬は、

・アロエ

・センナ

・センノシド

・カスカラ

・大黄(ダイオウ)

市販の医薬品では、コーラック・スルーラック・アジャストA・ヨーデル・アローゼン・プルゼニド・センノサイド・セチロなど、漢方薬では大黄甘草湯・麻子仁丸などに多く含まれています。

また、便秘に効くと謳われているお茶にもアントラキノンは含まれています。便秘に効くお茶として市販されているものの9割はアントラキノンが入っています。

・センナ

・大黄

・キダチアロエ

・カッシア・コリンポサ

・キャンドルブッシュ

アントラキノンは、急性腹症(虫垂炎や腹膜炎)の方、痙攣性便秘の方、重度の硬結便の方は禁忌となっています。

副作用2.下剤に頼るのはダメ!下剤依存症は負のループ


アントラキノン系下剤を使用することで便は排出されますが、便秘の体質を治す薬ではありません。薬で便秘解消→薬をやめる→便秘になる→薬を飲む→便秘解消→薬をやめる…という負のループが繰り返されます。

これが「下剤依存症」で、お腹周りがやせたように見えるのでダイエット出来たと勘違いする人もいます。そうなると、腸が薬の刺激に慣れてしまい、服用量を増やさないと薬の効果が出なくなります。

軽度の下剤依存症の方は、食事療法でよくなる可能性があります。便秘薬を規定量以上に服用している、1年以上毎日服用している、複数の便秘薬を服用しているなど、中重度の下剤依存症の方は、食事療法だけでなく薬も合わせて、1~2年かけて治療しなければなりません。

副作用3.一番怖い副作用「大腸メラノーシス」!自覚症状がないだけに発見が遅れることも…


大腸メラノーシスとは、アントラキノン系下剤が体内で薬物処理を行う過程で、腸が黒く色素沈着します。色素沈着した部分は腸の動きが止まってしまい、継続使用することでただでさえ弱っている腸がさらに弱くなっていきます。

大腸メラノーシスになり黒く色素沈着すると、腸管の神経にも影響を及ぼし、大腸が伸びたゴムのようになってしまいます。

アントラキノン系下剤を毎日4ヶ月程度服用、または断続的であっても1年程度服用を続けていると、大腸メラノーシスを引き起こすと言われています。

2009年、ドイツ・エッセン大学の論文では「アントラキノン系下剤が大腸メラノーシスを引き起こし、大腸腺腫を増加させるということは明白である。なぜそのようになるのかはっきりしていないので禁止はできないが、他にも副作用があるので、長期の使用をすべきではない」と述べられています。

アントラキノン系下剤の使用は、やむを得ない場合のみ1週間程度にとどめ、塩類下剤に切り替えることが望ましいそうです。

副作用4.大腸メラノーシスになると、大腸ガンになる?


1829年、クールベイラーというフランスの医者が、大腸ガンと大腸メラノーシスの合併について論文を書いています。また、ウイルヒョウというドイツの病理学者が、黒くなる粘膜と大腸ガンの関係を疑っています。しかし、大腸メラノーシスと大腸ガンの関係はいまだに不明です。ただ事実として、大腸メラノーシスに合併した大腸ガンの報告は数え切れないほどあるのです。

副作用5.安全で副作用が起こりにくい便秘薬「塩類下剤」とは?


塩類下剤とは、塩類の高い浸透圧を利用して、大腸の表面から水分を吸収します。その水分で便をやわらかくし、排便を促すのです。

副作用はあまりありませんが、大量摂取すると大腸壁に水分が多量に含まれてパンパンになったり、細胞膜が破れてしまうこともあります。

しかし、適正量を摂取すれば特に問題はありません。アントラキノン系下剤のような習慣性はないので、長期服用しても安心です。副作用ではありませんが、下剤ですから多少の腹痛や下痢の症状はあります。

酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの成分が該当します。

ただし、ダイエットのために下剤を服用することだけは、絶対にやめてください!


今回、アントラキノンを用いた下剤ダイエットの副作用についてお伝えしましたがいかがでしたか?

便秘が解消されるとお腹がスッキリするのでダイエットしたような錯覚に陥りますが、それは間違い。それに下剤で解消された便秘は根本から治さないといけません。

便秘を解消するには食事療法や運動など地道な方法が多いですが、地道に取り組むことで自然なお通じを手に入れるはずです!安易な薬には頼らないように、頼るなら副作用や服用量をよく理解してからにしましょう!

まとめ

最恐!アントラキノン下剤ダイエットがもたらす恐怖の副作用5つ

副作用1.アントラキノンが含まれる生薬!市販薬の7割がアントラキノン系下剤!
副作用2.便秘→薬の服用→便秘解消→薬やめる→便秘→薬の服用…の負のループ!下剤依存症には気をつけよう!
副作用3.腸が動かなくなる病気「大腸メラノーシス」!自覚症状がないだけに服用に注意を!
副作用4.大腸メラノーシスになると大腸ガンに?関係は未だ不明だが、報告例は数え切れないほど!
副作用5.副作用が少ない「塩類下剤」の使用を!


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