「歯磨きしたら血が出てきた!」「歯茎が腫れている」「口の中がネバネバする」などの症状に思い当たるあなたは、歯周病かもしれません!歯周病は、歯の周りの汚れ(プラーク)に含まれる細菌の毒素で、歯茎が腫れ、最後は周りの骨が溶け、歯が抜けてしまう病気です。成人の約80%に歯周病の症状があると言われており、歯を失う原因にもなっています。
今日は、歯周病を正しく理解して、歯を健康に保つ知識をお伝えします。
歯周病の原因と症状を理解して美しく健康な歯を保つ5つの知識
知識1: 歯周病の原因はこれだ!まず敵を知る…
歯周病の原因は「歯の周りの汚れ(プラーク)に含まれる細菌の毒素」です。食べカスは、24時間後にプラークになります。
プラークは粘着質でうがいでは取れません。プラーク1mgの中に10億個もの細菌が住みついていると言われ、これが虫歯や歯周病などの症状を引き起こす原因です。プラークが48時間後に歯石になります。歯石は自分では取れず、歯医者に行く必要があります。
歯石を放置していると、細菌が住みつき、歯周病の症状を進行させてしまいます。さらに、ストレス・喫煙・歯ぎしり・不規則な食生活なども、歯周病の症状を進行させる原因になります。
知識2: 歯周病の影響は口だけではない!全身に悪影響が及ぶことも…
【糖尿病】
・健康な人より歯周病にかかりやすい。
・歯周病の毒素がインスリン(血糖値をコントロールする物質)の機能を低下させ、糖尿病の症状を悪化させる場合がある。
【誤嚥性肺炎】
・食事を飲み込む時に、誤って気管に入り、肺に入ってしまうことがある。この時に歯周病菌が一緒に肺に入り、肺炎を起こすことがある。
【早期低体重児出産】
・血液中に入ってしまった歯周病菌が、胎児に影響を与える可能性がある。
知識3: 歯周病のセルフチェック!あなたはこんな症状はないですか?
・起床時、口の中がネバネバする
・歯磨きすると出血する
・固いものが噛みにくい
・口臭が気になる
・歯肉が下がって、歯と歯の間にすき間が出来てきた
・歯が長くなったような気がする
・歯がぐらぐらする
3つ以上の症状に当てはまる方は、ご自分で予防に努めましょう!6つ以上の症状に当てはまる方は、歯周病が進行しているかもしれません。全部の症状に当てはまる方は、歯周病の症状がかなり進行しています。
知識4: 歯周病って治る?歯医者選びはどうすればいい?
昔は「不治の病」と言われた歯周病ですが、現在は治療出来ます。先ほどのセルフチェックで6つ以上の症状に当てはまった方は、歯医者で専門的な治療をする必要があります。
歯医者を選ぶ時は「日本歯周病学会」「日本臨床歯周病学会」の専門医や認定医のいる歯医者が安心です。歯周病治療に常に関わっている人でないと、この資格を持つのが難しいからです
知識5: 歯周病予防・治療後のケア…一番大切なのはセルフケア!
歯医者へ治療へ行くこと、定期検診に行くことは大切ですが、何より大切なのは自分でのケアです!正しい歯磨きを毎日することで、プラークのない健康な歯を保持することができます。
最低1日1回は、時間をかけて丁寧に歯を磨きましょう!
【歯ブラシの選び方】
やわらかめ:歯茎の腫れ・出血の症状がある時に。
ふつう:特に痛みがない時。
かため:プラークをしっかり落とせますが、歯茎を傷つけてしまう可能性があるので、磨き方に気をつけましょう。
【歯磨き粉の選び方】
フッ素配合の歯磨き粉を選びましょう。フッ素は虫歯予防として有名ですが、プラークができるのを抑える効果もあります。
【正しい歯の磨き方】
いずれも力を入れ過ぎないように磨きましょう。
(バス法)
歯周病予防や治療に効果的な磨き方です。歯と歯茎の間の溝に歯ブラシを45度の角度で当て、細かく動かします。
(スクラッピング法)
歯ブラシを垂直に当て、歯1本分くらいの幅で細かく動かします。
(縦磨き)
前歯の裏や歯がでこぼこしているところは、縦に当てます。歯ブラシの先だけ使うと、細かいところまで磨けます。
(ローリング法)
横向きに歯ブラシを歯茎に当て、歯ブラシを半回転(上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ)させながら磨きます。
(フォーンズ法)
歯に円を描くように歯ブラシの先を当てます。
【歯を磨くタイミング】
①就寝前
就寝時は細菌の増殖を抑える唾液の分泌が減るので、細菌が発生しやすくなります。デンタルフロスや洗口液などを使ったケアはこの時に行います。
②起床時
寝ている間に細菌が増殖するので、起きたらまず歯磨きをして細菌を落としましょう。歯磨き前に朝食を食べると、増殖した細菌も一緒に体内に取り込んでしまうので健康によくありません。
③食後30分~1時間後
食事をすると口内が酸性に傾き、アルカリ性の歯の表面が酸によって弱くなっています。その状態で歯を磨くと、歯を削ってしまうことになります!唾液は酸を中和する力があるので、磨くなら食後30分~1時間後にしましょう。
【歯磨き後のケア】
就寝前の歯磨きが終わったら、歯と歯の間のプラークを取り除くためにデンタルフロスを使いましょう。歯と歯の間に糸を入れて、歯の側面の汚れをからめとるように前後に動かしながら、上へ持ち上げていきます。
「歯周病の原因と症状を理解して美しく健康な歯を保つ5つの知識」はいかがでしたか?歯周病は、毎日の食事と歯磨き不足からなる身近な病気です。平成元年より厚生省と日本歯科医師会が推進している「8020運動」というものがあります。
「自分の歯で食べる楽しみを味わえるように、80歳になっても20本以上自分の歯を保ちましょう」という運動です。歯周病を予防して、ぜひ実践したいものですね!
まとめ
歯周病の原因と症状を理解して美しく健康な歯を保つ5つの知識
知識1: 歯周病の原因は、歯の周りの汚れ(プラーク)!
知識2: 歯周病の症状を引き起こす毒素は、全身に悪影響をおよぼすことも…
知識3: あなたは大丈夫?歯周病の症状セルフチェック
知識4: 「日本歯周病学会」「日本臨床歯周病学会」の専門医や認定医がいる歯医者を選ぼう!
知識5: 歯周病予防とケアに一番重要なセルフケアは、毎日の歯磨き!