誰もが憧れる白くて美しい肌。けれど、年齢を重ねるとともに増えてくるシミ。見えない部分に出てくるならまだしも、顔はどこよりも一番目につくところなので顔にシミができる、増える、というのは本当に辛いものです。
老けた印象を与えてしまうので、鏡を見るたびに気になってしまいます。シミを完全になくす事はむずかしい事ですが、けれど努力次第で目立たなくする事は可能です。今回はシミの種類と原因を知って、効果的なシミを消す方法をご紹介します!
シミの種類と原因を知り、シミを消すための5つのポイント
ポイント①シミになるメカニズムとは?
「シミ」とは、表皮に残ったメラニン色素の集まりのことです。正確には「色素沈殿」と呼ばれています。ホルモンの影響や紫外線を身体に受けた時、表皮のメラノサイトが反応してメラニン色素を作り出します。通常は、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)によって再生された皮膚と入れ替わり、メラニンは角質とともに垢として排出されるのですが、紫外線をたくさん浴びるなどで過剰に作り出されたメラニン色素は排出しきれずに残ってしまい、シミの原因となるのです。
また、ターンオーバーの乱れも排出されない理由のひとつで、加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れなどの内的要因や、ナイロンタオルなどの摩擦による物理的刺激も少なからずシミの原因になることがあります。
ポイント②シミの種類をしることが美肌へのステップ!
シミと言っても、いろいろな種類があります。このシミの種類はなかなか見た目では見分けがつきにくいものですが、原因も異なり対策や治療も変わってきますので、それぞれのシミの特徴をよく知ることが大切です。
肝斑(かんぱん)
頬骨のあたりや鼻の下、または額にもやもやと左右対称にできるシミのことで、30代~40代の女性に多いのが特徴です。女性ホルモン(黄体ホルモンプロゲステロン)が関係してできると言われ、男性にはできません。妊娠中やピルの服用中、婦人科の病気にかかったとき、更年期にできやすいシミです。紫外線を避けてホルモンバランスに気をつけることが肝斑の予防になります。
炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)
ニキビやかぶれ、火傷などの炎症が刺激となってメラニンが生成され、沈着し、シミとなって残ったものをいいます。日常的に接触しているものにも原因があります。1~2年で自然と薄くなり消えるケースがほとんどですが、いつまでも消えずに残ってしまうものもあります。紫外線に当たるとさらに濃く沈着してしまうので注意が必要です。
老人性色素班(ろうじんせいしきそはん)
いわゆる「日焼けによるシミ」で長年紫外線対策を怠ってきた30代以降の方に多いのがこのシミです。老人性といっても10代から出始める人もいます。若いころから日焼けをしてきた人ほどできやすい傾向があります。おでこや頬など紫外線を受けやすい部位に多く見られ、段々と色が濃くなっていきます。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
皮脂分泌が盛んな顔や頭に多くでき、老人性色素斑が何年も経つうちに盛り上がってくることもあるようです。その状態のシミを脂漏性角化症といいます。このシミは表面が平らではなく少しデコボコしてイボのようになっているのが特徴です。手の甲などにも出来ることが多いようです。このタイプのシミは美白化粧品での改善が期待できません。
雀卵斑(じゃくらんはん)
一般的にソバカスといわれているシミです。小さく茶色いシミが鼻や鼻の周りに点々とできるのが特徴で、ほとんどが遺伝的なものです。色白の人に多く、両親どちらかにソバカスのある人は、10歳ごろから思春期にかけてできてきます。夏場の紫外線によって濃くなりやすいといわれています。
摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)
下着やナイロンタオルなどの肌の摩擦や刺激を慢性的に加えていると生じるシミで、身体にできることが多く、深いシミとなり治りにくい場合が多いのが特徴です。
花弁状色素斑(かべんじょうしきそはん)
海や山などで強烈な紫外線を浴び、水ぶくれになるなどの強い日焼けをした後にできる花びらや金平糖のような形のシミのことです。このようなシミを花弁状色素斑といい、胸や肩、背中の上方に多く見られるのが特徴です。
ポイント③シミをつくらないための予防をしよう!
シミを作らないために、体と内と外から対策しましょう!
<紫外線対策>
紫外線対策は夏や晴れの日だけのものではありません。冬場も、雨や曇りの日にも紫外線は降り注いでいます。UVカットの化粧品や日焼け止め、服装などで紫外線対策は通年行いましょう。コツコツとした努力の積み重ねで10年後の肌が変わってきます。
<女性ホルモン>
排卵後から月経までの2週間はメラニンを刺激する黄体ホルモンが上昇していますのでメラニン色素ができやすくなります。この時期は紫外線防御などに特に気を配り、シミの発生に注意しましょう。
妊娠中も黄体ホルモンは増加しますのでメラニンは増加しやすくなります。妊娠中にシミや肝斑ができやすくなるのはそのためです。黄体ホルモンが通常の10倍近くにも増え、メラニン色素が多く作られやすい状態になるからです。このため普段よりも紫外線の影響を受けやすくなるので、いつも以上にしっかりと紫外線対策をしましょう。
ポイント④できてしまったシミの治療(セルフケア)
できてしまったシミはあきらめないで、正しいセルフケアで薄く目立たなくすることもできます。紫外線が強くなる夏場にかけて濃くなるシミ、痛みやかゆみを伴わない、盛り上がっていないシミの場合は、セルフケアで改善を図りましょう。
<スキンケア>
スキンケアだけでも薄くなるシミもあります。例えばクレンジングと洗顔でまずきっちりと汚れを落とし、化粧水や美容液で保湿しながらさらに気になるところはビタミンC誘導体や高濃度の美白成分を配合したものを使用すると効果的です。
<UVカット・日焼け止め>
日焼け止めクリームを塗ることは、シミの原因となる紫外線を遮断する働きがありますので非常に効果的です。また、日焼け止めはSPF値が高ければ高いほど効果的です。これは、紫外線B波(UVB)をブロックする効果が高いためです。紫外線B波は肌を赤くし、炎症を引き起こします。日焼けをすると肌が赤くなるのはこれが原因です。また、肌に炎症を起こすだけでなくメラニン色素を増加させシミの原因、シミを濃くする原因になります。充分な日焼け対策でシミが濃くなるのを避けましょう。
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<ビタミンC>
ビタミンCには、メラニン色素を抑える効果があり、シミを防ぐとともにできてしまったシミを薄くしてくれます。また、コラーゲンの合成を促すので、お肌にハリを与えてくれます。
そのビタミンCの中でも、ビタミンC誘導体(安定型ビタミンC)は、従来のビタミンCに比べて吸収力が数十倍も高く、酸化を防ぐ効果(活性酸素の消去)もあるので、より良いといわれています。そして、シミのできにくい肌を作るために、ビタミンCを体内から吸収することも大切です。ビタミンCは必要量を食事のみで摂取するのはなかなか難しいので、良質の栄養補助剤などで補うのもいい方法です。
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<ストレスフリー>
ストレスや精神的不安を受けると、脳下垂体からシミの原因となる「メラノサイト刺激ホルモン」の分泌が促進されますので、できるだけストレスを溜めないように生活しましょう。ポイントは、自分なりにストレス解消法を見つけることです。
ポイント⑤できてしまったシミの治療(クリニック治療など)
レーザー治療、光治療、ケミカルピーリングなど特別な治療を希望する場合は皮膚科で相談してみましょう。(ただし、肝斑はレーザー治療で悪化する場合があるので注意が必要です。)
<レーザー治療>
クリニックでのシミ治療としてもっとも多く活用されているのは、レーザー治療です。
シミ治療で使うレーザーによって放たれる光は、異常なメラニンに特異的に反応するため、他の部分を傷つけることがなく、色素のある部分にだけ反応するので、メラニンに対しては非常に効果的に反応します。
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<光治療>
光治療では520~1,100nmの光線を顔全体に当て、しみだけでなく肌のくすみ・肌質の改善をはかり、肌本来の機能を高めることができます。
<ケミカルピーリング>
グリコール酸(AHA)、サルチル酸(BHA)、トリクロール酸(TCA)などの酸の入った薬剤を使い、皮膚の表面を剥ぎ取り、皮膚が本来持っている再生能力を生かして新しい皮膚の細胞を再生することにより薄いシミやくすみを軽減します。
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<外用薬・内服薬>
・トラネキサム酸
ホルモンのバランスが関係する肝斑には、メラニンを活性化させる情報伝達物質を抑える「トラネキサム酸」の内服がよいとされています。
・ハイドロキノン
ハイドロキノンは、メラニン合成の律速酵素であるチロシナーゼの働きを阻害することによりメラニンの合成を阻害する薬です。その美白効果は試験管内においてはビタミンCの100倍とも言われています。
さて、今回お届けしたシミの種類と原因を知り、シミを消すための5つのポイントはいかがでしたか?
老けた印象を与えてしまうシミは女性にとって本当に大きな悩みです。シミができないように、またできてしまったシミを薄く消すためには、意外と多いシミの原因を知ってそれぞれの特徴に合わせたケアを行うことが大事です。
コツコツと日々実践することによって、いつまでもシミのない美しい肌をキープしたいですね。
まとめ
シミの種類と原因を知り、シミを消すための5つのポイント
ポイント1: シミになるメカニズムを理解しよう
ポイント2: 意外と多い?!シミの種類
ポイント3: まずはシミをつくらない!!
ポイント4: セルフケアでシミを消す!
ポイント5:クリニックでの治療に効果を期待!!