女性が抱える体の悩みの中で必ず上位にランクインしているのがお通じの悩みですよね。できればお薬に頼ることなく便秘を解消したいと願う女性にとって、食物繊維を含む食べ物の摂取は最も手軽な解消法ではないでしょうか。
食物繊維が便通を促し、その結果ダイエットにも繋がるという漠然とした流れは分かるものの、本来の効果効能についてはあまり深く知らない人が多いはずです。身の回りにある食物繊維を含む食材のことを深く理解し効果的な摂り方を知れば、もっと美味しく食べながら美しい体を手に入れるヒントが見つかることでしょう。
そこで今回は、便秘やダイエットに関心のあるあなたにこそ知って欲しい食物繊維が体にもたらす効果についてお伝えします。
食物繊維がたっぷりの食材がダイエットとお通じにもたらす7つの効果
効果1.食物繊維は2つの種類を見極めて使いこなす
食物繊維を全てひとくくりに考えているうちは、便秘やダイエットに対して納得のいく効果が得られないものです。なぜなら食物繊維には2つの種類があり、そもそも体にもたらす効果が違うからです。
水溶性食物繊維
体の中に入ると水分を吸収してドロドロになり、脂肪の蓄積の原因となる糖質の吸収を抑える効果があります。また腸の中で余分な脂肪をからめとり、便と一緒に押し出してくれる効果もあるんです。
水溶性食物繊維を含む食材には、次のようなものがあります。
・熟した果物
・海藻
・野菜
・豆類
これらの中には、ペクチン・グルコマンナン・アルギン酸・フコイダンといった成分が含まれており、お味噌汁や納豆、食後のフルーツなど日本の伝統的な食卓に並ぶものの中に水溶性食物繊維があると分かります。
不溶性食物繊維
圧倒的に違うのは水への溶けにくさです。その代わり便のかさを増して膨らませ、自然と排便できるように促すことや腸内に存在する体にとって有害な成分まで一緒に排出してくれる効果を持っています。
また不溶性食物繊維の働きは、腸の弛緩と緊張を繰り返す蠕動(ぜんどう)運動を促してくれ、この効果を持つ食材には次のようなものがあります。
・ごぼう
・穀物類
・イチゴや梨(特に完熟でない果物)
・エビやカニの殻
・ココア
不溶性を特徴に持つ食物繊維にはペクチン・ヘミセルロース・リグニン・キトサンといった成分が主に含まれています。
食物繊維の摂取でお腹が緩くなると感じたら水溶性食物繊維の割合が高く、逆に食物繊維を摂っているのに便秘が解消しないという人は不溶性食物繊維の割合が多いということです。
食物繊維はどれも同じではなくできるだけ偏りなく摂ることが大切で、その理想の割合は水溶性1に対し、不溶性2が理想的です。
効果2:単なる便通と侮るなかれ!食物繊維は宿便を出してくれる
毎日コンスタントに便通がなくとも、それがその人のサイクルならば便秘とは言いません。明確な定義がない中でも、明らかにお腹がスッキリした感覚を覚えられるのが食物繊維を摂ることで得られる宿便の排出ではないでしょうか。
宿便は毎日排便がある人にも存在するもので、その名の通り頑固なものです。それを効果的に排出する方法が、2種類の食物繊維を理想的な割合で摂取することに他なりません。
効果3:体全体の巡りにも影響する老廃物を排出
便の中には体のさまざまな老廃物を含んでいます。それらが滞ってしまえば血液やリンパなど体内の巡りまでも悪くしてしまいます。血やリンパのめぐりが悪くなることで心配なのは冷えとむくみです。食物繊維によって効果的なお通じがあると、老廃物を一緒に出すだけでなく体の冷えやむくみまで解消できてしまいます。
効果4:便秘が原因の肌荒れはお通じの改善でスッキリ解消する
便秘によって体に現れる症状もさまざまですが、目に見えてわかりやすいのは肌の状態ではないでしょうか。
ニキビや吹き出物といったものの原因をたどると、やはり体内に残された老廃物から排出されるガスや有害物質です。これらが行き場を失うと汗や皮脂となって皮膚の表面に現れるためニキビとなって出てくる仕組みです。
食物繊維を積極的に摂る習慣は肌にも良い影響を与えてくれるのです。
効果5:老廃物の排出で新陳代謝も活発にしてくれる
ヒトの体は常に新陳代謝を繰り返しており、これが生きていることそのものを表します。体の器官によって新陳代謝の周期は違いますが、例えばダイエットに関係する筋肉や解毒の作用を司る肝臓ではおおそよ60日で生まれ変わる周期となっています。
この期間に体の老廃物が溜ってしまうと、筋肉や肝臓の働きは本来の機能を果たすことができません。特に肝臓は他の臓器に必要な栄養を作り出すことで精一杯ですから、大切な器官その働きを邪魔する老廃物の影響はでいるだけ少ない方がいいのです。
食物繊維の効果は、ダイエットの味方となる代謝UPにつながります。
効果6:肥満の大敵である血糖値の上昇を抑える
肥満と血糖値上昇の関係はとても密接なもの。簡単に説明するとこんな流れをたどっています。
炭水化物を含む食材を食べる
↓
糖に分解され血液の中に取り込まれる
↓
血液の中の糖分が高くなる=血糖値が上昇
↓
膵臓からインスリンが分泌される
↓
インスリンによって糖は肝臓や筋肉に取り込まれ血糖値は下がる
ここで注目すべきは食物繊維の中でも水溶性の食物繊維です。インスリンは体の中の余分な糖を取り込んでしまう性質がありますが、水溶性食物繊維はその余分な糖質をからめとってくれる効果がある。つまり体内への吸収を抑えてくれるということになります。
効果7:食物繊維が高血圧も予防する
高血圧の原因には塩分の摂り過ぎがあります。水溶性食物繊維には体の中に溜った余分なナトリウムを排出してくれる効果があるため、高血圧の予防が叶うことになります。
またすでに高血圧が気になる人にとっても体の老廃物が減らせる食物繊維の効果は見逃せません。実際、ダイエットによって血圧の安定がみられる人は多く血圧の安定とダイエットは食物繊維がもたらす相乗効果の一つと言えるでしょう。
さて今回は、食物繊維を摂ることで得られるさまざまな効果についてお伝えし、単にお通じの改善だけに留まらない効果があることにもふれてみました。
現在では第6の栄養素としてヒトの体の健康維持に欠かせない位置づけにされている食物繊維の働き。毎日の食事の中ではバランスよく、継続して摂取していくことも求められます。
お通じの改善には、食べ物ばかりでなく規則正しい生活や運動も必要な事です。強制的に便を排出させる薬剤などでは耐性がついて服用することが習慣のようになってしまうケースも気になります。
できるだけお薬には頼らず、身近な食材を口から摂ることによってその効果を得ていくように心がけたいものですね。
まとめ
食物繊維が果たす役割って何?
・食物繊維の摂り方は、水溶性食物繊維1、不溶性食物繊維2の割合がベストバランス
・食物繊維によるお通じの改善は肌荒れや生活習慣病を予防する
・無駄な老廃物が出ていくと体の代謝機能は高まりダイエットにも効果的