インプラントの値段と7つの治療の基礎知識

Dentist Commercial
Dentist Commercial / Joseph.Morris

インプラントは、ここ10年ほどで定着してきた人工歯の施術です。老化や歯周病などで失ってしまった歯の代わりに、まるで本物の歯のように自然に埋め込むことができるため、多くの人が行っています。 街の歯科医院でもインプラントを診療科目に掲げるところが増えてきており、年々その名前はわたしたちの間に浸透しつつあります。

しかし、気になるのはお値段。最新の歯科医療技術って高いのでは?というイメージがありますよね。そこで今回は、インプラントの値段を徹底解析。合わせて、治療に関する基礎知識もご紹介します。検討中の方は、参考にしてみてください。



インプラントの値段と7つの治療の基礎知識

基礎知識1:インプラントってどういう技術?

インプラントは、入れ歯やブリッジとは異なり、歯を支える根っこである「歯根」を顎の骨に埋め込み、上から人工歯をかぶせて自然に見えるようにする治療です。人工の歯根は骨にしっかりと定着するので、物を食べる時も安心してしっかり噛むことができます。また、見た目にはもとの歯と変わらずに見えるため、自然に話したり、笑ったりできます。

基礎知識2:入れ歯やブリッジとは何が違うの?

技術としての特徴は、歯肉を切開して顎の骨を露出させたうえで、インプラントを埋め込むための穴をあけ、人工歯根を埋め込むという点です。入れ歯やブリッジは取り外しができることで清潔を保ちますが、時間と共にフィットしなくなってきたり、顎の骨が痩せるなどのデメリットがあるため、安定感としては優れているといえるでしょう。

値段は少々はりますが、この後で説明するように、長期間にわたって性能を発揮すると考えれば一概に高いとはいえないかもしれません。

基礎知識3:インプラントの種類はどういうものがあるの?

インプラントの技術は、世界中で開発されています。各社が研究・開発を重ねた結果、現在では100種類ほどのインプラントシステムが導入されています。

インプラントの構造としては、下から骨に埋め込む人工歯根、人工歯、2つの部品の連結部分であるアバットメントの3パーツとなります。 このうち、メーカーによって特色が出て、なおかつ施術後の感覚に影響が大きいのが、インプラント、フィクスチャーなどともよばれる人工歯根です。形状別に大きく4種類に分けられます。
■スクリュータイプ
■シリンダータイプ
■バスケットタイプ
■ブレードタイプ
治療の回数や値段も、このタイプによって異なる場合が多いので、歯科医と相談しましょう。

基礎知識4:気になるお値段が知りたい!

ここまで、インプラント治療とは何か?という基本的なことを見て来ましたが、やはり気になるのはお値段。何十万単位とよく聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。

ズバリ、日本インプラントセンターの調査によると、1本あたり平均の治療価格は32万5,000円(2011年度)でした。これはあくまでも相場であり、治療内容や通院回数などによっても異なります。

実際、同調査では最も高い値段と安い値段で、38万円もの差がありました。 価格帯として考えた場合、1本あたり30~40万円程度が相場と考えておきましょう。

基礎知識5:なぜこんなに高いの…?

平均30~40万円。思っていた値段より、高かったでしょうか。確かに、病院でこんな額の料金を支払うことはめったになく、高いと感じるかもしれません。 ではなぜ、一般の歯科治療とは桁外れの値段設定になっているのでしょうか。

それは、インプラント治療が自由診療の科目だから。自由診療とは、一般的な病気やけがの治療とは異なり、保険診療の適用外であるため、患者さんに請求する費用を各クリニックが自由に決定できるというものです。

各クリニックはインプラント治療に必要な器具、機材、薬剤などにかかる費用を、診療費として患者に請求します。保険が適用されないため、費用は全額患者負担となっています。

基礎知識6:インプラントは、医療費控除の対象になる!

普通に歯医者さんに行くつもりでいると、少しびっくりしてしまいそうなインプラントのお値段。こうした背景が、インプラント治療の二の足を踏ませる一つの要因とも言われています。

しかし、患者さんにとってお得な制度があります。それは、「医療費控除」。納税者や同居する家族が、医療機関にかかり、その医療費が年間で10万円を上回ると、一定の率で税金の一部が還付されるものです。通常なら10万円の医療費というと、大きな手術でもしないかぎり一度には発生しないものですが、インプラントの価格帯でいえば基本的に対象となりえます。

また、医療機関に支払った分だけでなく、通院にかかる交通費や手術費も対象になります。関連する領収書はすべて保管し、確定申告で還付金を受け取りましょう。

基礎知識7:格安インプラントにはご注意

インプラント治療が普及し、値段にあった価値があると見なされつつある中、一部のデンタルクリニックでは価格競争が始まっています。特に都市部のクリニックでは、「一本7万円」ととても安い値段で治療ができると謳うことがあります。もちろん、こんな低価格で納得の治療ができるのであればそれに越したことはないのですが、こうしたキャッチコピーには注意が必要です。

インプラント治療を行う歯科医は、必ずしも暴利をむさぼっている訳ではありません。30万~40万円という価格帯にはそれなりの理由があります。単純に考えて、相場の4分の1程度の値段で提供されるサービスには、どんな器具で、どんな人が担当するのか、不安がないでしょうか。

もしこうした歯科医での治療を検討されている場合は、もう1ヶ所相場に近い金額を提示している歯科医でも話を聞いてみることをおすすめします。その上で納得できたら、コストを基準に選ぶのもよいかもしれません。

いかがでしたか?インプラントの値段と7つの治療の基礎知識をご紹介しました。 歯は、毎日使うものです。歯で咀嚼できるからものを食べることができ、食べられるから健康な体を保つことができます。インプラントによって健康な歯を取り戻したいとお考えの場合は、治療の内容を正しく理解して、値段にも納得したうえで始めたいですね。

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